星野監督、見ていてください-。楽天嶋基宏捕手(33)が27日、楽天生命パーク室内練習場で自主トレを公開、4日に死去した星野仙一氏から授かった「執念」を引き継ぐと誓った。

 年明け早々に接した訃報に、嶋は「星野監督が亡くなられた。大事な1年になる。思いを1年間忘れずに、必死にやりたい。結果を出すことが一番」と奮い立った。繰り返した言葉は「執念」。静かでも強い口調で「(星野氏は)見ているはず。執念ですね。執念を教えていただいた。意識して」と続けた。

 去年の二の舞い…失速はできない。「8月まで、いい戦いができた。『今年はいけるんじゃないか』と、楽しみに感じている人も多いはず。ソフトバンク、西武と比べて、何が足りなかったのか。夏場以降にどう戦っていくか考えたい。体力、精神力が大事になる」。日本一を達成した13年は、6連戦の続く夏場に強さを発揮して逃げ切りに成功した。強調した体力、精神力を支える土台が執念。授けてもらった財産を前面に出して、恩人に報いる。

 ベテランに差しかかった33歳。「年間130試合くらい、元気でスタメン出場する」との青写真がある。右ふくらはぎの違和感でキャンプ2軍スタートとなったが、患部の踏み込みが強い自主トレを見ても経過は順調。「万全でオープン戦、シーズンを迎える。沖縄で体の調子を上げていきたい」ともくろむ。嶋が先頭に立って執念を示す。【宮下敬至】