【スコッツデール(米アリゾナ州)29日(日本時間30日)=木下大輔、中島宙恵】一塁守備をめぐって、ゴールデングラブ賞受賞の名手に挑戦状だ。日本ハムのドラフト1位清宮幸太郎内野手(18=早実)が、キャンプ地での先乗り自主トレに参加。憧れのメジャーのダイヤモンドバックスの施設で主力メンバーらと初練習を行った。内野ノックでは、主将の中田翔内野手(28)と一緒に一塁へ。ミスなく終え、ライバルとなる先輩から合格点をもらった。

 10歳差の強打者中田と清宮が一塁付近で並び立った。左右の違いはあれど、ともに本塁打で高校球界を沸かせたアーチスト。だが、この日は内野守備で静かな火花を散らした。

 キャンプ地での先乗り自主トレ初日。内野ノックで一塁守備についた中田と清宮は、交互にゴロを受け、送球を繰り返した。清宮は逆シングルやショートバウンドを無難にさばき、他の内野陣との呼吸もまずまず。「今日が初めてということで、エラーをしないか、大丈夫なのかと、いろいろ思ったけれど、みなさんがすごく良い雰囲気を作ってくれて、緊張はしなかった。すごく楽しくできました」。主力級や若手のホープが顔をそろえた中、堂々とノーエラーで約20分間のノックを終えて、充実感に浸った。

 一緒にノックを受けた15、16年のゴールデングラブ賞受賞者の中田は「普通に守れているよね。(新聞などで)いろいろ書かれていたし、下手なのかと思っていたけど。俺の1年目はもっとミスが多かった」と、新人とは思えない落ち着きぶりに感心し「守備は受ければ、受けるほど、うまくなっていくから」と、今後の伸びしろに期待を寄せた。

 この日は練習施設を借りているダイヤモンドバックスのシニアアドバイザーで、日本プロ野球初の現役メジャーリーガーとして知られる元中日のジム・マーシャル氏(86)が視察に訪れ「どうして、こんなにマスメディアが多いんだ」と、目を丸くした。その中心にいる黄金ルーキーは「近くにゴールデングラブ賞を取った方がいるのはプラスになる。柔らかいハンドリングや、動きがきれいで見習いたい」。10歳上の中田を尊敬しつつも、早実時代から慣れている一塁を定位置候補の筆頭に置き、プロの荒波に乗り出した。