中日小笠原慎之介投手(20)が、3月にオーストラリアと強化試合を行う日本代表候補に入っていることが4日、分かった。侍ジャパン稲葉監督が沖縄・北谷キャンプを視察する5日もブルペン入りの予定。20年東京オリンピック(五輪)に向けた土台作りが本格化していく侍ジャパン。指揮官を前にしたデモ投球で、ひのき舞台への足がかりをつかめるか、注目される。

 竜の若き怪腕が新たなステージに挑戦する。ナゴヤドームでも行われる侍ジャパンの強化試合。中日勢は5人ほどが候補リスト入りしているが、その中に小笠原の名前も含まれている。

 東海大相模で3年夏の甲子園に優勝。逸材はプロでも順調にステップを踏んでいる。1年目は2勝、昨年は5勝。最後6試合はすべてクオリティー・スタート(6回以上、自責点3以下)と安定した投球を続けた。開幕投手候補に挙がるほど森監督の期待は高く、初の開幕ローテーション入りは確実だ。

 この日はフリー打撃登板で142キロを計測。強く腕を振る球もあり、仕上がりは問題ない。「順調です。142しか出ていないのでまだまだですが、まだ開幕まで1カ月以上あるので土台作りをしていきたい」。稲葉監督が北谷キャンプを視察する5日もブルペン入りの予定。格好のアピール機会になる。

 今回は2試合だけの強化試合だが、今の侍ジャパンは2年後に迫った東京五輪に向けたベース作りの時期。稲葉監督は昨秋の24歳以下の日本代表メンバーを含め、若手にも幅広く目を向けている。中日では昨秋、ヤングジャパンのリードオフマンとして活躍した京田が今回も代表候補入りしている。

 20歳左腕はプロ入り時から「日本を代表する投手」を目標に掲げてきた。東京五輪についても「そのとき代表候補になっているような投手になりたい」と語っている。若手の先発左腕は小笠原があこがれる西武菊池を筆頭に、DeNA今永や巨人田口らがめじろ押し。現時点の実績では彼らに劣っても、2年後を見越したスケール感なら負けていない。指揮官視察の貴重な機会を、大目標への足がかりにするつもりだ。