巨人のドラフト1位、鍬原拓也投手(21=中大)が地元奈良の大人気マスコットキャラ「せんとくん」とコラボを果たす。グラブのウェブ(網)部分に、愛くるしいキャラがプリントされた一品が契約メーカーのゼット社から届いた。公式戦では規定で使用できず、練習用だが、奈良のPR効果は抜群。鍬原は「奈良県出身なので、せんとくんをグラブに入れようと思いました」と直球の奈良愛を示した。

 せんとくんの使用には奈良県の許可が必要となる。伝統球団のドラ1右腕ということもあり、スポーツ選手としては初めて申請が認められた。同県庁観光プロモーション課は「巨人ファンの方は全国に多くいらっしゃいますので、せんとくんを見てもらって、観光に来ていただければ」と相乗効果に期待した。

 これまで選手と地域PRの好例がある。現中日の小笠原2軍監督は現役時代、名前つながりで小笠原村の観光親善大使を務め、阿部もかつての自主トレ地、沖縄・伊江島の球場設計を助言し、観光親善大使に就任した。鍬原は上半身のコンディション不良のため3軍調整中も、1軍で輝く日が来れば、せんとくんとともに奈良県が発信される。

 ◆せんとくん 10年に奈良県内各地で開催された平城遷都1300年記念事業のマスコットキャラクターとして、08年に初登場。11年から奈良県のマスコットキャラクターを務める。5歳の男の子で、シカの角が生えた童子のイメージ。特異なデザインで苦情が殺到し、話題になったことで知名度が上昇し、一転、人気者になった。