楽天岸孝之投手(33)が9日、久米島キャンプのブルペンで273球を投じた。2018年の12球団最多で、自身としてもプロ最多のブルペン投球数。1時間40分の熱投に「スーパー疲れた。こんなに投げたのは初めて」と汗をぬぐった。

 内容は半端なかった。150球を超えても、球威は落ちない。狙い通り直球をコースに投げ分けた。ブルペンに入った浜矢、宋家豪の視線をくぎ付けにするほど。梨田監督は「後半になっても、ボールに力があった」と称賛した。

 昨季は26戦でわずか1完投。「この時期ぐらいしか、こういう球数も投げられない」と投げるスタミナを強化中。同時に新フォームの固定に取り組む。これまでよりも左足を高く上げ、2段モーションを解禁した。「もともとそういう投げ方に近い。今年からルールも変わったし」とさらなるレベルアップを目指す。

 弱点も克服する。「相手チームも自分がクイックが苦手だと分かっている」とブルペンの最後はクイックモーションを何度も試した。その後は、バドミントン。「左手は、まだ大丈夫」と言いながら、左手に持ったラケットを振った。今年の岸は異次元。「スーパー岸くん」だ。【栗田尚樹】