ヤクルトが“スケート金メダル走法”で得点を量産する。平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)のスピードスケート女子団体追い抜き(チームパシュート)で日本が金メダルを獲得した翌22日、河田外野守備走塁コーチは「見てたよ! 連係、連係」と繰り返した。チームパシュートは先頭を交代しながらタイムを競う。前後の連係の重要性は走塁にも通じるとうなずいた。

 走塁では追い抜き厳禁だが、高木姉妹さながらの“好連係”が浦添キャンプのベースランニングで見られた。一、二塁で右前打を想定した練習。二塁走者が三塁を回ると、河田三塁コーチが「ストップ!」と手を広げた。三塁を狙っていた一塁走者は減速し、急いで二塁へ戻った。「平均的に広島の方が足が速い。二塁走者を本塁付近まで引っ張って(本塁に行かせるか)判断するのが増えそう。後ろの走者に(前走者を)視界に入れてほしいと言った」と意図を説明。連係を高め無駄な走塁死を防ぐ。

 ベースの回り方にも成長が見える。今キャンプは体を内側に倒して鋭角にベースを蹴り、最短の走路を行く鍛錬を積む。今季に広島から加わった河田コーチは「鋭角に入れるようになっている」と及第点をつけた。実戦想定の走塁練習の数々に、俊足の上田は「高いレベルを求められる。ついていけるように」。スピードスケート500メートル金メダルの小平奈緒のようなコーナーリングと、チームパシュート日本女子のような好連係で、今季は何度も本塁を好タイムで駆け抜ける。【浜本卓也】