守護神が帰ってきた。阪神ドリスが今季の実戦初登板で心配無用をアピールした。ビハインドの展開ながら“定位置”の9回に登場。変化球も交えて1イニングを3人でピシャリと抑えた。直球は最速150キロを記録。「スピードガンは少し遅いと感じたけど、自分としてはいい真っすぐを投げられた。フォークもグッドだったと思います」と笑顔で語る余裕もみせた。

 もう心配はいらない。2度の“不運”を吹き飛ばした。キャンプ中には右肘に軽いハリを訴え、2月21日の練習試合韓国・KIA戦の登板を回避。さらに帰阪してからの3月2日には軽い腹痛を訴えて、別メニュー調整。遅ればせながら投手陣最後の実戦初登板を終え「相手チームの打者に投げるというひとつのステップを踏めてよかったです」と胸をなで下ろした。

 絶対的な信頼を寄せる金本監督も「これからスピードも上がってくると思うし、キレも出てくると思う。寒い中の初登板で気の毒だった」と3者凡退の投球にひと安心。ドリス自身も「肘も大丈夫です」と心配無用を強調した。味方の9回の反撃も、ドリスの好投と無関係ではないはず。1発目は上々の試運転。今季も絶対的守護神がセーブを積み重ねる。【古財稜明】