日本ハム松本剛内野手(24)がDeNA戦(鎌ケ谷)でサヨナラ本塁打を放った。7-7同点の9回に左翼へオープン戦1号3ランを運んだ。今月の侍ジャパン強化試合にも選出された若手成長株は、チーム内ではレギュラー争いの真っただ中。伸び盛りなのはドラフト1位清宮幸太郎内野手(18=早実)だけじゃない!

 迷いのないスイングで、松本が大きなアピールに成功した。同点の9回裏、2四球などで1死一、二塁の好機。「制球が乱れていたので、ファーストストライクで甘いところに来たら積極的に行こうと思っていました」。DeNA国吉が投じた1ボールからの2球目だ。やや内寄りに入ってきた直球をとらえ、左翼芝生席へサヨナラ3ラン。途中出場ながら、大きな結果を残した。

 開幕スタメンへ必死だ。侍ジャパン参加を経て、この日から1軍に再合流。「今日から自分は、開幕ベンチ入りへの競争がスタートします」。気を引き締めて臨んだオープン戦出場3試合目で出た初安打が、劇的な1発。ただ「まだまだ、本当にどうなるか分からない」と一喜一憂はしない。

 日の丸を背負い、4日オーストラリア戦で3打数2安打3打点と大活躍したものの、チームでは右翼や二塁で開幕スタメンを目指す立場。「不安が先走っている」と危機感は大きい。この日の右翼スタメンは捕手と兼任する「4割男」こと同学年の近藤。二塁も同学年の「おにぎり君」横尾が起用され、ともに本塁打をマーク。アピール合戦に乗り遅れない劇的アーチに、栗山監督も「すばらしかった。存在感をしっかり見せてくれた」と、たたえた。

 外野は西川の1番中堅は不動。残る2枠を近藤、大田、岡、メジャー通算44本塁打の新加入アルシアらと争う。松本は「ここからは結果が必要。開幕スタメンを取れるように頑張りたい」と譲るつもりなどない。清宮の一挙手一投足だけでなく、定位置サバイバルも熱い。【木下大輔】