宮城・多賀城市出身のロッテ平沢大河内野手(20)が「3・11」に行われたソフトバンク戦の6回に代走で途中出場。

 9回の打席で森から中前打を放ち、4試合連続安打とした。その後もリー・トゥーシェン内野手(29=元ソフトバンク)の左前打で一気に一塁から三塁に進塁するなど、積極果敢なプレーを見せた。

 これでオープン戦通算では14打数6安打の打率4割2分9厘、1打点、3得点。井口監督も「(平沢)大河は本当にこの何試合か好調。ちょうど(首痛の)藤岡裕がいないんで、もっとアピールしていい」と期待を込めて話した。

 自宅で東日本大震災に遭ったのは中学1年の時。自宅は比較的無事だったが、海に近い母方の祖母の家は浸水し、平沢もかきだす手伝いをした。「震災を忘れちゃいけないですし、宮城で育った人間としては風化させないように思いながら野球をやるのが大事。野球で少しでも勇気を与えられれば」という。

 現在、打撃練習では自分のものより1インチ長い、同僚中村の35インチ(約89センチ)のバットを使用。下半身主導のフォームでバットコントロールに磨きをかけている。また守備練習では鳥越ヘッドコーチのポケットの浅いグラブを借り、正確に捕球する練習を繰り返す。「今日(3・11)だから特別ということじゃなく、1日、1日を大事に、勝負だと思ってやっています」。被災地に勇気を届けるためにも、日々懸命に野球に取り組んでいる。