鷹が目覚めた。ソフトバンク柳田悠岐外野手(29)が、チームの重たい空気を振り払った。1回2死一塁、巨人ヤングマンのカーブを思い切りしばくと、豪快に右中間を破った。一気に三塁まで駆けた柳田に、大分のファンは沸き上がった。

 これがチームにとって43イニングぶりの適時打。柳田は第2打席にも適時打を放ち「打撃練習のつもりで打席に入った。タイムリーが出ていなかったので、最初に打ててよかった。(大分には)たまにしか来ないので、ちょっとはいいところを見せられたかな」と笑った。

 オープン戦の低調な内容もあり、首脳陣はもう1度気を引き締め直そうと、前日12日は全体練習に変更。ピリピリとした空気の中で調整した。一夜明けた巨人戦は柳田が突破口を開き、先発全員の15安打。工藤監督は「打線も良かったし、いい守りもいくつかあった。負けはしましたけど、試合の中に集中できていた。それが得点、タイムリーにつながったと思います」と選手をほめた。藤本打撃コーチも「(11日ロッテ戦後の)北九州で怒ったかいがあったね」と打線の奮起に満足顔だった。

 今日14日からは、左ふくらはぎを痛めていた内川、今月来日したばかりのデスパイネも合流し、巨人戦(ヤフオクドーム)に出場する予定。18年版のベストメンバーがそろい、試合に臨む。柳田は「明日からは本番の気持ちで。打順もそうだし、今後の戦い方が見えてくる感じ。何番なのか楽しみです」と気合を入れた。【山本大地】