阪神が14日、榎田大樹投手(31)との交換トレードで西武岡本洋介投手(32)を獲得したことを発表した。

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 「黙々と」という言葉が岡本にはよく似合う。3年前から股関節の可動域を広げる練習を継続。股割りした状態でのシャドー投球を重ねてきた。「下半身を安定させるために自分には必要なので」。1人での地道なトレーニングの日々が、昨季マークした自己最多6勝の下地にあった。

 意図を持った努力は裏切らない。昨年は白星を挙げても「任された1試合を必死に投げないとダメですから。自分は崖っぷちにいる。1軍に慣れないようにしないといけない」と繰り返した。黙々と流す汗の裏には、常に危機感があった。

 今季に向け「安定して6、7回、長いイニングを投げられるようにならないといけない」と課題を挙げていた。毎年行うキャンプ中盤の投げ込み。今年は316球を投じた。決して大風呂敷を広げず、冷静に足元を見つめる。縦じまのユニホームに袖を通しても、先発枠を争う舞台が変わっても、岡本は黙々と戦うはずだ。【佐竹実】

 ◆岡本洋介(おかもと・ようすけ)1985年(昭60)9月27日生まれ、和歌山県出身。南部-国士舘大-ヤマハを経て09年ドラフト6位で西武入り。昨季は6月の交流戦から8月16日の楽天戦まで先発で6連勝した。177センチ、80キロ。右投げ右打ち。