やけくそで頑張ります! 地元財界が中心になった恒例の「中日ドラゴンズ激励会」が16日、名古屋市のホテルで行われ、森監督や選手ら約50人が参加した。この日は練習オフだった松坂大輔投手(37)も出席。来賓の河村たかし名古屋市長(69)から「やけくそ野球を見せて」とエールを送られ、伝え聞いた松坂も呼応した。内定している4月4日の巨人戦(ナゴヤドーム)先発に向けて、身も心もナゴヤに染まった?

 公用車の軽ワゴンに乗り込む直前、新加入の松坂について聞かれた河村市長はトレードマークの名古屋弁でまくし立てた。

 河村市長 彼は挫折を乗り越えてきたんだで「やけくそ野球」を見せてほしい。中日はメジャーと違って、ちょっと活躍すれば(新聞に)いっぱいドーンと書いてもらえるんだで。メジャーではそうはいかんでね。

 中日は目下、5年連続Bクラス。何となく漂う重い雰囲気がある。これをスカッと打破する思いも込め、河村節で「やけくそ」と表現。経済効果についても「そうそうそう! 盛り上がってほしいね」と地域全体への好影響を期待した。

 松坂もうれしそうに呼応した。名物市長のエールを伝え聞くと「やけくそで頑張ります!」と満面の笑みだ。

 約250人が注目する中、森監督以下、コーチ、選手らと並んだ激励会の壇上では、控えめに最後列に立った。スピーチで登壇した市長に「松坂くんはいるの?」と聞かれ、ひょこっと顔を出すと「えりゃあ地味なとこにいるね」といじられ、ぺこり。松坂は「(壇上で)いじってもらって光栄です」と喜んだ。

 市長は、低迷するチームに「派手にやってちょー派手に」「プロなんだからやけくそでやってちょー。初球は全部打つとか、球際は全部ジャンプして捕るとか。3日にいっぺん、そういうチャレンジデーを作ったり」と言いたい放題。スピーチの最後は「燃えよドラゴンズ」の替え歌独唱が響いた。笑いっぱなしの松坂は、独特の雰囲気に「それはありますね~」と“名古屋”を実感したようだ。

 この日は全体練習が行われたが、松坂は登板2日後でオフ。だが、スーツを着込んで駆けつけた夜に、とんでもない宴が待っていた。内定している4月4日巨人戦(ナゴヤドーム)の中日デビューへ向けて、順調に歩みを進めているが百戦錬磨の男もKO寸前の刺激的な体験になった。【柏原誠】