阪神は中堅を守る高山俊外野手(24)の捕球ミスが引き金になって、痛恨の逆転負けを喫した。2点リードの好ムードが暗転したのは4回無死一塁だ。ゲレーロのライナーを捕れず二塁打にしてしまうと、1死後に先発秋山が岡本に逆転3ランを浴びた。金本知憲監督(49)も怒りをにじませて「自分の範囲のノーバウンド、捕らないと」と指摘。守りのほころびが敗戦に直結し、巨人との開幕カードを負け越してしまった。

 守備のほころびが命取りになった。梅野とロサリオの2本塁打で幸先よく主導権を握ったが、ワンプレーでたちまち暗雲が垂れ込める。2点リードの4回無死一塁。秋山からゲレーロが放ったライナーは中堅高山のやや右へ。チャージをかけて追いつく。だが、その瞬間、体勢を崩し、打球をグラブに当てながらも捕れなかった。白球は左翼方向へ転々…。1死一塁になるはずが、瞬く間に無死二、三塁となってしまった。

 チグハグになった流れを止められない。直後に、秋山が売り出し中の岡本に逆転3ランを被弾。再び阪神へ形勢が傾くことはなかった。巨人の凱歌(がいか)が響き渡る三塁側のスイング室。金本監督は怒気をにじませながら言った。「自分の範囲ですからね。いや、もう…。何年…。(チームとして)去年も一昨年もノーバウンドで何回、落としたか。自分の範囲のノーバウンド、捕らないと。責任を持って。投手がかわいそう」。記録は失策ではなく二塁打。力投していた秋山も自責3を背負い、傷つく形になってしまった。

 高山は前日3月31日はベンチスタートだったが、この日は再び先発中堅へ。1回に二塁打を放って奮闘したが、悪夢の敗戦を喫し、重い足取りで階段を上がった。「すみませんしか、言えないです。秋山さんに」。責任感をにじませ、横浜に向かうバスに消えた。中堅高山の守備力アップは、チームにとっても重要課題だった。昨季も開幕から左翼で先発したが、6月以降は中堅でのスタメン機会が増えた。11月の秋季キャンプでも捕球姿勢から徹底的に見直し。正確に打球判断できるよう、低い目線で、打球を下から見る動きを何度も繰り返した。外野の飛球特守を行わなかったのは2日だけ。努力を怠らず反復練習するが、伝統の一戦でミスを犯してしまった。

 マンツーマンで指導する中村外野守備走塁コーチも「悔しい。(追い方が)よくなってきたのは事実。でもノーバウンドだからね。落下地点に入っていて、追い方も良かっただけに痛いプレーになってしまった」と指摘した。センターラインは守備の要だ。頂点を狙うためにも、手堅さが求められる。悔しさを糧にしてたゆまずレベルアップを図るしかない。【酒井俊作】