インファイトにも屈しない! 広島丸佳浩外野手(28)が5回に均衡を破る3号3ランを放ち、ヤクルトにリベンジした。前日4日からヤクルトバッテリーの内角攻めを受けていたが、3打席目に攻略。厳しいマークにも好調を維持する主軸の決勝弾で、チームは開幕から2カード連続勝ち越しとなった。

 内寄りの140キロ直球にも左肩を開かず、インサイドアウトのバット操作で左翼方向へきれいな放物線を描いた。5回2死一、三塁。ヤクルト先発館山から均衡を破る3ランを放った丸は、表情を崩すことなくダイヤモンドを回った。

 「自分の打てる球を整理して打席に入った。強引にならずに打ちに行けた。自分のポイントで、しっかり力を伝えられた」

 ヤクルトの投球に屈しなかった。前日4日、相手先発ハフから死球を受けた。3日の初戦に川端が頭部死球を受けたことで、ヤクルト投手陣はインファイトを挑んできた。この日も丸は、館山から執拗(しつよう)に内角を攻められた。1打席目は初球に体をのけ反らされ、最後は空振り三振。フルカウントから二ゴロに倒れた3回の第2打席は、ボール球すべて内角に外れたものだった。

 5回。ネクストバッターズサークルへ向かう前「リクエスト」による中断中に迎打撃コーチから助言があった。「真っすぐを左方向に打ち返すイメージ。変化球は泳いでもいい」。迎えた3打席目の初球はまたも内寄りの球だった。「(体が開かない)そこだけは意識して、素直に自分のポイントでしっかり打ちに行けた」。助言を実践してみせた。

 今季は初本塁打から中堅、左翼、左翼と逆方向への1発が目立つ。「自分のポイントでしっかり力が伝わっている。オープン戦からシンプルに考えられている」。3本塁打は、チームメートのエルドレッドに並ぶリーグトップ。緒方監督も「初球でしっかり打った丸はすごい」と賛辞を贈った。

 前日の借りをきっちりと返し、開幕から2カード連続で勝ち越した。丸は「負けた次の試合が大事だということはチーム全体に浸透している。ズルズル行かなかったのは、チーム力がついてきた証拠」と胸を張った。本拠地に戻り、再び連勝街道を走る。【前原淳】