バットで同期のプロ初勝利を援護した。DeNAドラフト2位神里がプロ1号を先頭打者アーチで決めた。巨人大竹の甘く入った直球を振り抜き、左翼席に運ぶ先制ソロ。「前回(5日阪神戦)は援護出来ず、東を勝たせてあげられなかった。今日は初回から自分が塁に出て何とかしようと思っていた」と、この回一挙5得点への号砲を振り返った。

 ルーキーらしからぬ、ずぶとさが土台にある。開幕前日の3月29日の練習中、ラミレス監督から声をかけられた。「今晩は緊張して眠れないだろうから、お酒を飲んで寝なさい」。冗談でリラックスさせようという助言だったが、実際のところは極度の緊張もなく「飲むまでもなく、ぐっすり眠れました」。肝っ玉ルーキーは開幕戦こそ無安打だったが、2戦目には適時打をマーク。3戦目からは1番に抜てきされ、起用に応えている。

 この日の一打で、対応力の高さもみせた。前日11日の同戦は5打数無安打。試合前練習では坪井打撃コーチとのトス打撃で、タイミングの取り方と打ちにいく意識を再確認した。その直後の第1打席での1発。「昨日は自分の思うようなスイングが出来ていなかったので、ストライクゾーンにきた球は積極的に打っていこうと決めていた。うまく押し込むことができました」とうなずいた。

 ベンチ前でのハイタッチ中には、ナインから捕手マスクをかぶせられて祝福された。指揮官も「神里のホームランでチームに勢いがきた」と目を細めた活躍。若きリードオフマンが、打線を勢いづけている。【佐竹実】

 ▼ルーキー神里がプロ1号となる初回先頭打者本塁打。外国人選手を除き、プロ初本塁打が先頭打者本塁打は昨年9月9日杉本(オリックス)以来33人目となり、そのうち新人は16年3月31日高山(阪神)以来11人目(勝利打点付きは3人目)。DeNAの新人でプロ1号が先頭打者本塁打は94年8月30日波留に次いで2人目だ。