プロ注目の亜大・頓宮(とんぐう)裕真内野手(4年=岡山理大付)が、2打席連続のアーチでチームを大勝に導いた。本職の捕手ではなく、打撃優先で一塁で出場。12球団のスカウトが視察する中、3回に満塁弾、4回には3ランで2安打7打点と大活躍した。

 亜大・頓宮が、力と技を2発に詰め込んだ。力を証明したのは3回2死満塁。プロ注目の中大・伊藤の149キロ直球を力で左翼席に運んだ。4回2死二、三塁では低めのスライダーにやや泳ぎながら、技で左翼席へリーグ通算6発目。「真っすぐ狙いでしたが、うまく打てたと思います。ボールの下をたたけた」と2打席連発、7打点の猛打で試合を決めた。

 ベンチからは「山川」の声が飛んだ。今春のキャンプでは「前さばき」の打撃を意識。西武山川のようにポイントを前に置き、ボールをかち上げる打法を身に付けた。ソフトバンク宮田スカウトは「強さと柔らかさを証明した。大学屈指のホームラン打者」と絶賛。楽天沖原スカウトは「飛ばす力は抜群。大学NO・1打者」と評価した。

 捕手への思いをバットに込めた。高校時代からプロ注目の捕手で、今秋ドラフトでも強打の捕手で各球団がリストアップ。打撃を生かすために、この日は一塁で出場したが、捕手目線で守った。「違う角度で見られた。捕手としても、信頼されるようになりたいです」と話した。「数字は気にせず、勝利のために」。亜大の“おかわり2世”に注目が集まる。【久保賢吾】