阪神藤川球児投手(37)が、LINDBERGのボーカル渡瀬マキ(49)にエールを送った。渡瀬は11日に「機能性発声障害」の診断を受けたと発表。藤川は甲子園のマウンドに上がる際に流す「every little thing every precious thing」に、いつも勇気をもらってきた。今度は藤川が渡瀬に元気を与える番。マウンドからの快投を送り届ける。
背中を押してくれた歌声に、今度は藤川が恩返しだ。甲子園のマウンドに向かう際に流れるテーマ曲「every little thing every precious thing」はファンの間でもなじみのソング。そして、妻の英子さんとの思い出が詰まった青春そのものだ。高知商3年時に交際を始め、何度も一緒に聞いた曲。支えてくれた夫人への感謝をこめて、登場曲に使っている。LINDBERGのボーカルを務める渡瀬マキが、11日に「機能性発声障害」の診断を受けたと発表した。藤川は心配そうな声で話した。
「回復を祈って、力もらっている人が今度は精いっぱい応援すること。自分もそうですけど、自分だけじゃなくてね。自分の妻もそうですけど、たくさんの人が支えられているはずなので。支えられてきた方が今度は逆に応援して。自分たちが頑張るぞ、ということですね」
07年に対面した際には、家族の名前を刺しゅうしたグラブをプレゼントしたこともある。「名前が書いてあるのは(普通は)あげられないんですけど。今回はあげられます」。そう喜び、マウンドでの勇気を与えてくれたボーカリストに感謝を伝えたこともあった。
「たくさんの人に感情を持たすというか、応援するというか。そういうパワーのある仕事をされている方なのでね。今度は応援してもらったファンの人とか、周りの人たちが、頑張るというか。支えて、支えられて」
試合終盤にピッチャー藤川がコールされると、スタンドで多くのファンがメガホンを左右に振る。震えるつま先、高なる鼓動-。スタジアムに歌声を響かせ、今度は円熟味ある背番号22が、甲子園のマウンドから元気を届ける。
◆渡瀬マキ 1969年(昭44)2月22日、三重県生まれ。89年にバンド「LINDBERG」を結成し、ボーカルを担当。同年シングル「ROUTE 246」でデビュー。「今すぐKiss Me」が大ヒットを記録するなど、90年代を代表するロックバンドとして活躍。97年にギターの平川達也と結婚した。02年に活動を休止したが、09年に1年間限定で再結成し、14年に活動を再開していた。
▼機能性発声障害 声帯に病変がないのに、声がかすれたり、発声しづらい症状が起こることをいう。心因性失声症、音声衰弱症などの疾患がある。心因性失声症は、精神的ショックが原因となることが多く、女性に多くみられる。flumpoolの山村隆太、Juice=Juiceの宮本佳林ら歌手にも多い。