苫小牧駒大の伊藤大海投手(2年=駒大苫小牧)が、7回1安打14三振の好投でデビュー戦を飾った。高校時代は14年センバツで1勝。16年に駒大進学も10月に中退し昨年、苫小牧駒大に再入学していた。登録の関係で昨年1年間は公式戦に出場できず練習のみ。16年東都大学秋季リーグ以来、約1年半ぶりの公式戦登板に「ここまで長かった。野球ができるありがたさを感じながら投げられた」と喜びを口にした。

 最高のリスタートを切った。この日は最速148キロの直球に90キロ台の変化球を交え、北海道教大函館打線を翻弄(ほんろう)。4回1死から7回2死まで10連続三振と圧倒的な投球で勝利に導いた。スタンドには巨人、日本ハム、ソフトバンクなど5球団のスカウトが集結。巨人の柏田スカウトは「直球が速く強い。あと2年で間違いなく良くなる」と話した。

 苦境を超え、たくましくなった。大滝監督は「試合に出られない間、しっかり体幹を鍛えてきた成果が出ていた」と言う。16年10月に駒大中退後、故郷鹿部に戻り1人で肉体改造。体重を4キロ落とし、20%近かった体脂肪も半分に減らし、キレを取り戻した。「プロを目指し、また少しずつ成長したい」。つまずいた経験を糧にする。【永野高輔】