楽天の自力優勝の可能性が復活した! チームのピンチに岸孝之投手(33)がロッテ戦で今季初めて中5日で先発。7回104球を投げ、3安打無失点、6三振無四球とほぼ完璧な内容で今季3勝目(1敗)を挙げた。首位西武がソフトバンクに敗れたため、わずか2日で自力Vの可能性がよみがえった。

 岸さまさまだ。「四球で出すと良いことないので。ストライクゾーンで勝負ができた」。最速145キロの直球とキレのある変化球をどんどんストライクゾーンに投げ込んだ。ロッテが二塁を踏んだのはわずか2度。防御率を1・60としパ・リーグトップに立った。

 7回最後の打者、清田への6球目にも145キロを計測するなど、スタミナも最後まで衰えず。8回も登板を志願したが「中5日というのもあるし、長いシーズンを戦うために代えた」(梨田監督)とお役御免となった。連敗は4でストップし、指揮官は「勝つことが一番。岸は素晴らしかった」と賛辞を惜しまなかった。

 お立ち台で、7回の今江の適時打について「着替えていて見てなかった」とおどけた右腕も、ここまで本拠地でなかなか勝てなかったことについて聞かれると真剣な表情で「早くホームで勝ちたいと思っていた。自分のできることをやっていれば、野手のみなさんが打ってくれると信じて投げている。自分の仕事ができて良かった」。昨年5月28日以来、345日ぶり本拠地勝利の喜びをかみしめた。【千葉修宏】