これが4番の仕事だ! 巨人阿部慎之助内野手(39)が3回2死二、三塁、試合を決める2号3ランを放った。阪神ドラフト5位谷川の直球を弾丸ライナーで右翼席最前列へ。不振のマギーに代わって4番に座り、レギュラー奪取へのろしを上げた。
勝利への本能が反応した。3回2死二、三塁。阿部の腰が一気に回転した。阪神谷川の内寄りの甘い143キロ直球を捉える。弾丸ライナーは、右翼席最前列へと一直線に消えた。ぼうぜんと立ちつくす新人を背に、貫禄たっぷりにダイヤモンドを1周。通算390号の3ランで試合を決め、これぞ4番という一振りに「おっさんパワーで何とかできればいいなと思って頑張りました」と笑った。
勝つための役割があると心に刻む。試合前の打撃練習。マギーと同組でケージに入る。腕力でバットをブン回す助っ人を横目に自身のスタイルを見つめる。「彼らのようなパワーは俺にはない。マギーとかゲレーロの打撃を目の前で毎日見て『俺はこういうタイプじゃない』と再確認しているよ。彼らがいるから、俺は同じじゃなくてもいいしね」。力任せの“飛ばしたい欲”を抑え、下半身主導のフォームを丁寧に磨く。
勝利に近づく一打を放つ。開幕から代打で13試合に出場し、リーグトップの6打点。敗れはしたが今季初スタメンの6日DeNA戦では1号ソロ。先発起用では2戦連発のアーチとなった。経験を重ねてきたことで「たくさん勝ってきたという自信もあるし、大事なところで強みを出せる」と力強くうなずく。高橋監督も「スタメンでも1打席勝負でもやってくれる力がある」と手放しでほめた。
配役が変わる気配だ。4番を務めてきたマギーは25打席連続無安打。6日の先発は不振が続くマギーのリフレッシュの意味合いが強かったが、結果を残し、代打の切り札から4番阿部への潮目となりつつある。それでも「与えられた仕事をすることを心がける」とチームが勝つためにどこでも働くと言い切る。
目の前にいるのはレギュラーを争うライバルではなく、仲間。それぞれが勝つためのピースになればいい。主役も助演も張れる男の存在感が光る。【島根純】



