日本ハム西川遥輝外野手(26)の勝負をかけた守備が、1-0勝利の中で光った。

 初回の最初のプレーだった。西武1番秋山が放った打球は浅い中前への飛球。西川は思いきって猛ダッシュ。足からスライディングして好捕した。「僕としては(中堅手を)やり始めてから一番、いろいろ考えながら突っ込んだ」。

 3日前に苦い思いをしていた。13日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)。2回無死一塁の守備。デスパイネが中前にライナー性の打球を放った。果敢に突っ込んで捕球を試みた西川だが、打球を後逸。先制点を献上する適時三塁打となり、試合も流れを失って完封負け。「前回、前の打球を後ろにそらしていたので、すごく勇気がいった」。悔しさや恐怖心もある中で、今回は先発上沢をもり立てる好プレーとなった。

 安全策ならば、前に出ることを止めて単打に収める選択肢もあったはずだ。ただ、西川は「(打球は)後にはやれないけど、ヒットにすることは簡単。捕れる球は、しっかり取るのが仕事。次につながると思う」と、振り返った。攻めの守りが試合開始直後に飛び出し、チームも士気が上がった。

 攻撃では7回1死一、三塁の場面で決勝犠飛を放った。直前に2番手の西武武隈が代打鶴岡に死球。状況を整理して打席に入っていた。「僕の前に内角直球で鶴岡さんに当てているので、それだけはないと外に目付けしていた」と、外角へのスライダーを中堅へはじき返した。「初球から犠牲フライは狙わない。ヒットになればよかった」と、あくまで納得はしないが、価値ある大仕事が決勝点となった。ヒーローインタビューは上沢に譲ったが、攻守で勝利に貢献した西川もヒーローだった。