金本阪神が連敗で今季最多タイの借金2を抱え、2日以来15日ぶりのBクラスに後退した。不振の5番ウィリン・ロサリオ内野手(29)がわずか2試合で2ステップからノーステップ打法に戻したが、またも無安打でますます悩みは深まりそう。だが、金本知憲監督(50)は「僕は信じるしかない」とスタメンを継続させる考え。さらに、「前向きに今日の試合を評価したい」と敗戦で見せた粘り腰もたたえ、ナインを鼓舞した。
なんとか言葉を絞り出すしかなかった前夜から一転、試合後の金本監督は前向きな言葉を強調した。22歳平良に今季初勝利を献上し、あと1本が出ずに3カード連続負け越し。今季ワーストタイの借金2。15日ぶりにBクラスへ転落した夜、指揮官は決して諦めぬナインの姿勢にひと筋の光を見いだした。
金本監督 ベンチはなんとかしようという気持ちをみんな持っている。たまたま結果が出ていないとか、つながらないだけで。そんなに悲観することもないと思う。姿勢があるだけ、僕は前向きに今日の試合を見たいし、評価したい。
前日16日はDeNAドラ1左腕東にプロ初完封を献上。6試合連続2得点以下で迎えた一戦も、投打ともに序盤から苦しんだ。先発秋山が5回4失点と想定外の乱調で計算が狂う。打線は4点を追う7回、相手のミスから2得点。3点を追う9回裏、2連打で好機をつくるまでが精いっぱいだった。
中でも主砲ロサリオの精神面が心配でならない。この日も4打数無安打。ここ7試合で28打数1安打と大ブレーキが続いている。苦悩が一塁守備にも影響したのか、平凡なゴロをさばけず1失策。記録には表れなかったものの、ファンブルしたボールを拾えず蹴ってしまう場面もあった。
広島戦が雨天中止となった13日、これまでノーステップ気味だったフォームを変更。3年前のロッキーズ時代と同じ、左足を上げる2ステップ型に改良していた。これをわずか2試合試しただけで、この日のフリー打撃からノーステップ型に再変更。すぐには結果に結びつかず「成績を上げるためにも、なんとかやっていくしかない。練習していくしかない」と悲壮感すら漂わせた。
それでも指揮官の覚悟にブレはない。「守備は守備でちゃんとやってほしいしね」とした上で「(打撃で)当たりだしたら、そっちの集中力も出てくるでしょうし。もう信じて…僕は選手を信じるしかない」。会見の最後にも「選手を信じて辛抱するだけです」と力を込めた。V奪回はロサリオの本領発揮なくして想像しづらい。この日放った左中間最深部への左飛を、復調の兆しだと信じたい。【佐井陽介】