阪神大山悠輔内野手(23)が巨人11回戦(甲子園)で次々と快音を響かせ、今季初の猛打賞をマークした。チームの4連勝を呼ぶ3安打1打点の活躍で、上り調子をアピールした。

 2回1死から田口の内寄りの139キロ直球を右前に運ぶと、一気にエンジンがかかった。2-2の同点で迎えた3回2死一、二塁では、一時は勝ち越しとなる中前適時打。4試合連続安打で4月15日ヤクルト戦以来、今季3度目の複数安打を記録し、勢いづく。5回には外角のスライダーを逆らわずに振り抜き、打球は二塁手の頭を越えてフェンスまで到達する三塁打を放った。

 いずれもセンターから右方向の3安打。「食らいついていこうという気持ちが、いいところに落ちてくれたのかなと思います。ポイントをしっかりできた分、いいところに落ちたのかなと思います」と謙虚に振り返った。

 今季は開幕スタメンに名を連ねたが、不振から抜け出せず、4月末以降、5月中旬までベンチスタートも多かった。打率はここまで1割台と低迷。ロサリオが不振にあえぐ状況だけに、大山にかかる期待は大きくなる。金本監督は「まだ本来の当たりといいますか、左中間やレフトオーバーの当たりをバシッと打ってほしい。上がり目ですから、すごく僕自身期待していますし、打ってくれるものと思っていますね、今はね」とさらなる爆発を促した。指揮官、そして虎党が望む豪快な打棒で存在感を示す予感が漂ってきた。【吉見元太】