都市対抗野球2次予選東北大会が今日1日から7日間(岩手県営野球場ほか)行われる。3年連続3度目の本大会出場を狙うきらやか銀行(山形市)は明日2日の初戦(2回戦)で七十七銀行(仙台市)と水沢駒形野球倶楽部(奥州市)の勝者と激突する。入社4年目の絶対的エース右腕・小島康明(25=東農大)は決め球のチェンジアップをさらに進化させ「Wチェンジ」を開発。右打者の膝元に食い込ますだけでなく、逆方向の外角にも曲げられるようになった。新兵器を引っ提げ、東京ドームのマウンドで仁王立ちする。

 絶対的エースの小島が、さらに進化していた。決め球のチェンジアップに改良を加え、「Wチェンジ」なる秘球を開発した。「最近は相手にチェンジアップを研究されて狙われている。何とかして投球の幅を広げたかった」。今までは右打者の内角膝元に沈ませるイメージだったが、昨年8月の日本選手権予選では右打者へのチェンジアップ外角攻めを解禁。すると外に少し逃げて沈むような軌道を描き、手応えをつかんだ。

 小島 特に握りを変えず、外に投げる時には指に引っかけるイメージ。すると内角と外角で変化が変わった。内に投げると食い込むように沈んで、外に投げると逃げるように落ちた。

 現在は左打者にも同様に投げられるようになり、両方向に曲がるチェンジアップを自由自在に操れるようになった。さらに今季から、120キロ後半のツーシームを習得。常時130キロ中盤の直球と、120キロ前半の「Wチェンジ」に織り交ぜ、一気に投球の幅を広げた。4月のJABA長野大会ではホンダ(狭山市)を完封。「去年よりも精度が上がったし、球数もだいぶ減った。強豪相手に0点で抑えて、名前負けをしなくなった」と自信を見せた。

 これだけ自分を追い込むのには理由があった。憧れのプロ入りだ。「まだ、あきらめきれない。もっと自分を見てほしいと思っている。3年連続の東京ドームぐらいじゃ駄目。都市対抗で賞を取るぐらいじゃないと」。課題だった球威は、オフの筋トレの効果もあって自己最速を1キロ更新する146キロまで上昇。夢を追いかける男の1球から、目が離せない。【高橋洋平】