11日に神宮、東京ドームで開幕する全日本大学野球選手権に向けて、プロ注目の奈良学園大(近畿学生)米満凪内野手(4年=敦賀気比)が意気込んだ。

 奈良学園大は4強入りした16年以来、2年ぶり21回目の出場。「(ドラフトに向けて)勝負どころというのは分かっているけど、気負いせずチームが勝つことが第一。自分の仕事をすれば結果がついてくると思う」と日本一を目指すのはもちろん、今秋のドラフトへ向けてアピールの場にもするつもりだ。

 現在は遊撃を定位置にするが、敦賀気比時代は捕手以外全てのポジションを経験。奈良学園大に入学してからも右翼、中堅、一塁、二塁をこなしてきたユーティリティーな内野手だ。50メートル5秒8の俊足と、遠投110メートルの肩を生かした堅実な守備が持ち味。「守備、肩、走塁、そこに尽きると思います」と武器を自覚する。

 昨年の秋、プロへの思いがぐっと強くなった。1学年上の宮本丈内野手がヤクルト6位、村上海斗外野手が巨人7位で指名された。奈良学園大から1学年で2人が指名されるのは史上初のこと。米満は会見場でその瞬間を目の当たりにした。「プロに行きたいという気持ちが強くなった」と直後の酒井真二監督との面談で、プロを目指したいと直訴した。

 「実力の面で未熟なのは分かっている。練習を人よりしないと」と意識は変わり、毎日のように終電間際まで残って自主練習を行った。冬は肉体改造にも取り組み、体脂肪率は15%から10%に。腕や足は二回りも大きくなった。

 奈良学園大は今季10戦無敗でリーグ優勝。2年ぶりの全日本大学選手権を迎える。「プロへの意識を持って、1球に対する思いを考え直すいい機会になった」と米満。待ちに待った全国の舞台で、躍動する姿を見せるつもりだ。