オレも石川! ロッテ石川歩投手(30)がDeNAを7回無失点に封じ7勝目。チームを西武、ソフトバンク、オリックスと並び交流戦2位に押し上げた。

 石川は珍しく首を振った。6回2死一、二塁、カウント1-2。対するは昨季の首位打者DeNA宮崎。直前は2球連続外のカットボールでファウル、空振りとタイミングは合っていなかった。捕手田村の要求は再び外。「でも外、怖いなと思って。その前に外の甘いのを捉えられたんで」。自らの意思でインコースのシュートを挟んだ。直後、外角カットボールで思い通り空を切らせた。

 大黒柱として主体性が出てきた。井口監督は「自分で考え、かわすより攻めるピッチングをしていた」とうなずく。続く7回も1死一、二塁からギアチェンジ。代打ソト、神里を立て続けに空振り三振に仕留め、これまた珍しいガッツポーズで感情をあらわにした。

 味方打線がなかなか追加点を取れない中、主導権を渡さない力投。「なぜか今日はスピードも出て、いい感じでしたね」と打率3割超の4番筒香、5番宮崎に許した安打は1本のみで、松永に無失点リレーのバトンを渡した。これで自身4連勝で、6連勝中のボルシンガーらに並ぶリーグ2位タイの7勝目。防御率も同3位の2・31と安定し、両右腕が主に先発する火曜と土曜はほぼ無敵状態だ。

 チームは再び借金1の壁に挑む。借金5から4連勝で巻き返した7、9日はまさかの2試合連続延長サヨナラ負け。4月30日を最後に、勝率5割に届きそうで届かない。井口監督は「ここのところ、なかなかそこの壁にいけない。明日こそは勝てるゲームをしたい」と息巻く。

 本拠地6連戦の初戦を白星発進に導いた石川。ヒーローインタビューで「借金1ですね」と振られると「明日は僕、投げないんで。(隣の)中村に頑張ってもらいます」と丸投げして笑いを誘った。交流戦の出番はあと1回。1週間後の最終戦、敵地阪神戦に向けてしばし羽を休める。【鎌田良美】