ソフトバンクが「日本生命セ・パ交流戦」の広島戦でド派手な本塁打攻勢を展開した。アルフレド・デスパイネ外野手(31)の先制3ランなど4本塁打でセ・リーグ首位の広島を圧倒。前日14日に、6月以降では5年ぶりにBクラスに転落したが、一夜で暗い雰囲気を払拭(ふっしょく)した。

 眠れる大砲の一撃がアーチ攻勢の号令になった。1回2死一、三塁。デスパイネは広島大瀬良の甘く入った直球を大好物とばかりにフルスイング。鋭いライナーで中堅へ運ぶ13号3ランで先制した。

 デスパイネ まっすぐを狙っていた。行くとは思わなかったよ。センター返しの意識は特になかったが、詰まった当たりがたまたまセンターに行ってくれたね。

 デスパイネにとっては、5月27日楽天戦以来、14試合ぶり。交流戦に入ってからは初めての本塁打となった。この日は試合前に入念に走塁練習に取り組んだことも功を奏したか。「本塁打は出ていなかったけど、これも野球の1つ。出る時は出るし、出ない時は出ない」と冷静だが、復調への兆しを見せた。

 デスパイネに続いて2回には高田が2号2ラン。4回に上林の9号2ランで加点。そして8回には江川が、今季最多タイのチーム4本目となる1号ソロをたたき込んだ。すべて本塁打で8点を奪い、大勝。しかもセ・リーグ勝ち頭の大瀬良を打っての勝利に工藤監督も「明日につながる」とうなずいた。

 前日14日には、6月以降では5年ぶりにBクラス落ちした。指揮官にとっても就任以来初の経験。だが、ここで気落ちしてはなるまいと明るかった。前夜の試合後には「明日(15日)は3倍気合を入れて頑張りましょう」と声を張り上げていただけに、この日の勝ちには「すばらしい3倍気合の入りようだったね」と満面の笑み。4年連続の交流戦勝率1位にも望みをつないだ。「ぜいたく言ってしまいますが、明日はタイムリーでも点が取れるように。明日(16日)は5倍で行きましょう」とノリノリだ。このまま一気に勢いに乗る。【山本大地】