巨人が守護神カミネロの独り相撲に泣き、痛恨のサヨナラ負けを喫し、交流戦を2年連続負け越しで終えた。

 前夜は0-1で敗れたが、内海の好投や吉川尚のスクイズで、この日は逆に1-0で9回を迎えた。守護神を送ったが、先頭の角中に中前打を許すと、落ち着きを失った。代走岡田の俊足を警戒して、バントの構えをする清田にストライクが入らない。ストレートの四球で無死一、二塁とし、捕手小林がベンチの斎藤投手総合コーチを呼び、間を置いた。走者を気にして投球を置きに行っている内容に「腕を振っていけ」と鼓舞されて、次打者の鈴木に向かった。

 だが今度は不安定な守備を露呈。三塁側へのバントに三塁手吉川大との連係がもたつき、自ら処理したが内野安打とされ、無死満塁。続く三木には高い投ゴロで同点とされ、最後は平沢に一、二塁間を破られ、サヨナラ負けを喫した。

 今季11度のセーブ機会で初の失敗も、1点差の状況は今季3度目と競った展開での登板は少なかった。1点差は4月5日の中日戦以来と“間隔”も空いた。この日に限らず、点差が開いていると走者に無警戒となり、盗塁を容易に許す場面もあった。セーブ失敗は初めてだが、防御率5・19が現状を物語っている。

 昨年は29セーブを挙げた2年目の助っ人右腕は「調子は良かった。調子が良い悪い関係なく、負けてしまうというのは起こりえる。自分がやるべき球を投げ切れなかったことが敗因だと思う」と冷静を貫き、今季初黒星に「自分でも初めてのセーブ失敗というのは分かっていた。でもシーズンでそういうことはどんなピッチャーでも起こること。考えないと。次回登板でもっといい結果を残さないといけない」と前だけに目を向けた。

 村田ヘッドコーチ兼バッテリーコーチは「1回の失敗で変えるチームはないと思うよ」と守護神交代は否定しつつ「でも四球はもったいなかった。カンカンカンと打たれて負けるなら、あれだけど、防げるもんやから。バントさせておけば良かったのにな」と苦言を呈した。

 守護神の乱調も痛かったが6回1死二、三塁など5回の先制点後に訪れたチャンスで追加点を奪えなかったことも響いた。高橋監督は「こうなってみると、そういうところですね」と認めた。交流戦の借金2に「良くはないですけど、終わったことは変わるわけではないので、これは現実」と話し「こういうのを取っていかないとなかなかね、勝率は上がっていかないと思うので、なんとかしていきたい」と接戦での強さを求めた。