巨人のプロフェッショナルとは紛れもなくヒサヨシ・チョーノ・ホンダだ。社会人のホンダ出身の長野久義外野手(33)の得点嗅覚は鋭かった。1回2死一、三塁。菅野が32球を要しながら無失点にしのいだ後、ヤクルト山田大の初球に合わせた。「(菅野に)いつも助けてもらっているので」と左翼へ2点適時打。エースの“ゴールマウス”死守から鮮やかに速攻を決めた。

 厳しいプレスの中でも結果を残す。3回1死一、三塁、一塁走者が投手の裏へ抜け出すランエンドヒット。低めのフォークに食らいつき、左中間へ“キラーパス”を通した。再びの2点適時二塁打に「中押しという形ができてよかった」と、17年8月22日以来の4打点。最後は7回に左前へ3安打目と“ハットトリック”で締めた。

 打棒がさえるのは体がうずく季節だからだ。サッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会が行われた14年オフ、元日本代表の小林大悟と自主トレ。背番号4、背中に「HONDA」が刻まれた代表ユニホームでボールを蹴った。「世界の頂点に挑む姿勢は競技は違うが刺激になる。それに僕は社会人のホンダ出身ですから」と世界のホンダを意識した。

 華麗なプレーでも魅了する。昨年「もしもジャイアンツが別競技のチームだったら」という企画でサッカー選手となった。ジダンばりのマルセイユルーレットでDFをかわし、オーバーヘッドキックでゴールネットを揺らす姿が映像で公開された。プロ顔負けの技に「結構、うまいでしょ?」とニヤリと笑い、CG映像を否定。真相は定かでないが、ファンを楽しませた。

 交流戦の勝率1位を倒して2位に浮上し、借金完済まで残り2。「良い位置で後半戦に臨めるように」。期待に応える長野が結果にコミットする。【島根純】