日本野球機構(NPB)は2日、マイナビオールスターゲーム2018(第1戦=7月13日・京セラドーム大阪、第2戦=同14日・リブワーク藤崎台)の監督推薦選手を発表した。阪神からはランディ・メッセンジャー投手(36)が来日9年目で初出場。糸原健斗内野手(25)と岩貞祐太投手(26)も出場が決まった。3日からは本塁打競争出場選手と各リーグ1人ずつのプラスワン投票が始まり、10日に全出場選手が決まる。

 来日9年目にしてメッセンジャーが、ついに球宴のマウンドに上がる。監督推薦で初出場を決めた。通算93勝をマークしている虎のエースは「クールな経験だと思う。でも9年かかったことは少し残念です(笑い)」。今季は4年連続5度目の開幕投手を務め、4月には国内FA権も取得。手にしてきた数々の勲章に、待望していた球宴出場が加わった。

 どんなに白星を挙げても、三振を奪っても、たどり着けなかった球宴。「過去も数字的には出場に値したことはあったと思うけど」と苦笑いを浮かべるが、今季は文句なしの数字を残してきた。ここまでリーグ2位の9勝を挙げ、防御率も2位の2・45をマーク。83奪三振もリーグ3位だ。「数字はウソをつかないというかね」とうなずいた。

 初出場の球宴でも、特別なことはしない。「自分はオープン戦だろうと2軍であろうと、投げるときは結果にこだわる。もちろん球宴でもね」とガチンコスタイルを貫く。一方で兄貴肌はセ界の後輩にも発揮。「いつでも何でも聞いてもらったら、答えるよ。そういう場だと思うし。全部答えるつもりでいます」と対話や助言は惜しまない。

 選出御礼勝利で2桁に乗せて、晴れ舞台に挑む。チームは今日から前半戦最後の9連戦。先陣を切るメッセンジャーは自身7度目の2桁勝利もかかっている。「チームが勝つのが一番。そこを目指したいね」。大粒の汗をぬぐって、気持ちを入れた。【池本泰尚】

 ▼メッセンジャーが来日9年目で初の球宴出場を決めた。10年以上在籍した外国人選手でも、01年カブレラ(西武)らの1年目や、97年ローズ(近鉄)らの2年目など、来日して間もない時期に出場する選手が目立つ。球宴初出場までに年数を要したのは09年のシコースキー(当時ロッテ)の通算8年目、09年ゴンザレス(巨人)の6年目などがあるが、メッセンジャーの9年目は異例の遅さだ。