DeNA筒香嘉智外野手(26)が2打席連続リプレー検証で本塁打が“取り消される”珍事が起こった。3回の左翼ポール際の本塁打性の打球はファウルに。5回の右中間フェンス最上部への打球は、本塁打の判定でダイヤモンドを回ったものの、結局ファウルになった。それでも、チームは11安打で追いすがる巨人を突き放し、勝利を収めた。

 弾丸ライナーが左翼ポールめがけて飛んでいった。第2打席の3回。筒香が、巨人田口の5球目を捉えた打球は、ポール直撃かと思われたが、スライスしながらわずか約15センチ外の鉄柵に直撃。ファウル判定はリプレー検証でも覆らなかった。5回には右中間本塁打の判定で生還するも再び検証。フェンス上部直撃の判定で二塁打に覆り、筒香は苦笑いしながら二塁ベースへ戻った。

 筒香が「1本目は手応えがあったが、2本目はなかった」と語った“消えたアーチ”を埋めるように「調子いい人打線」が奮起。3回、筒香が大ファウル直後に四球を選び、1死満塁の大チャンスに広げた。5番ソトが内角のスライダーを左前へ運ぶ2点適時打。さらに6番に起用された乙坂が犠打で2死二、三塁とすると、嶺井が左中間へ2点タイムリー。5点差に広げ、序盤に大量リードを奪った。

 打順組み替えを敢行したラミレス監督は、前夜の試合の打棒を重視した。「昨日の石川は途中から出ていい活躍をした。乙坂も打って、そういう選手を使っていく」と、前夜に打った顔ぶれを抜てき。さらに東京ドームで今季打率4割以上を誇る桑原を1番に据え置き、宮崎を3番に上げた。調子のいい打者をラインアップに並べ、そのまま結果が着いてきた。

 継投策が外れた前夜から一転し、指揮官の采配がズバリ的中。「データをチェックしてうまく機能した。データはうまくいくことも、いかないこともある。今日はいい結果でよかった」。連敗を2でストップ。こちらは珍事ではなく、計算通りだった。【栗田成芳】