大山で今季最大の4点差をひっくり返したぞ! 猛虎ナインは0-4の負けムードも諦めていなかった。梅野の3ランとナバーロの犠飛で追いつき迎えた8回、大山悠輔内野手(23)が決勝のタイムリー三塁打。2軍落ちから再起した16年ドラフト1位が、強烈な浜風で右翼手が目測を誤るラッキーにも後押しされ、3日の再昇格後の初安打を劇的な一撃で飾った。チームは甲子園での連敗を6で止め、2位に再浮上だ。

 大山は三塁到達後、ベンチに向かって拳を突き上げた。同点の8回2死二塁。中日祖父江が投じた外角低めの変化球を右方向にはじき飛ばした。だが打球は強烈な浜風で押し戻されて失速した。えっ、ライトフライ? だがフェンス手前まで行っていた右翼平田も目測を誤り、打球はポトリ。今季最大の4点差をひっくり返す劇的な決勝打が生まれた。

 今季は6番三塁で開幕スタメンをつかむも、出場54試合で打率2割4厘、2本塁打、15打点と本来の力を出せず、6月22日に2軍降格。だが2軍戦8試合で打率4割、3本塁打をマークし、1軍の舞台に返り咲いた。しかし前日3日に昇格を果たすも、5打席で安打なし。6打席目でようやく出た“初安打”が劇的な一打となった。「自分自身苦しかったですし、ファンの皆さんにもふがいないところばかり見せてたので、なんとか必死に食らいつきました」。打点自体も5月27日の巨人戦(甲子園)以来、38日ぶりだった。

 不振脱出へ、試行錯誤の日々だった。平野打撃コーチ付き添いのもと、時には「間」を作るための練習として、ネットに向かってノックを打つ練習に励んだ。自分のポイントでスイングをする意識付けのため、「置きティー」では通常よりも高い位置に置いて打ち込んだ。

 流した汗を見ていた野球の神様が、浜風を味方につけてくれたのか。背番号3にやっと笑顔がはじけた。金本監督は「どんな影響があるか分からないですけど、メンタルとか気持ち的なモノをいい方に持っていかないと前に進めないと思う。どんどんプラス思考で考えてほしいですね」と一気の波乗りを期待した。

 甲子園での連敗を6でストップ。指揮官は「やっと来てくれたファンを喜ばせてあげることができた。しばらく勝てなくて、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。とりあえずはホッとしていますね」と安堵(あんど)した。大山は「今日は今日で終わり。明日ゼロから始まりなので、しっかり切り替えていきたい」と力強く応えた。もう、2軍に戻るつもりはない。復活した背番号3が、チームの逆襲を導く。【古財稜明】