へッスラ魂で勝ちまくる! 今季から選手会長を務める阪神梅野隆太郎捕手(27)が日刊スポーツのインタビューに応じ、16日巨人戦(甲子園)から始まる後半戦での逆襲を誓った。チームは前半戦を終え、35勝38敗1分けの3位。借金「3」でのシーズン折り返しにも、この男が、泥臭く虎を引っ張っていく。

 梅野のユニホームは試合後、泥で汚れているケースが多い。ヘッドスライディングの回数は、おそらくチーム随一だろう。

 梅野 ヘッドスライディングが恥ずかしいとか、自分は一切思わないですね。いけると思ったときに勝手に頭からいっているので。無心にならないと出ないものだし、狙ってするもんじゃないと思っているので。

 選手会長1年目。気迫を前面に出すスタイルが板につきつつある。理由はただ1つ。勝ちたいから、だ。

 梅野 やっぱり、勝っているときと負けているときとでは雰囲気が全然違う。何としてでも勝つ、という野球をしていかないといけない。気持ち的にも1試合に懸ける思いをもっともっと…。感情を表情に出していけたらなと思っています。自分のヘッドスライディングにしてもそう。前回ヘッドスライディングをしたときも全体的に「ワァーッ」ってなりましたし。チームとして、感情だったり表情に出すことが大事だと感じています。

 首位カープを7ゲーム差で追う現状。少なくとも「熱さ」で負けるわけにはいかない。

 梅野 たとえば広島なんかはそういう感じで、きれいに野球をしようとはしていない。失敗を恐れずに、というのがすごく見える。僕たちもそういうスタイルを、と。もちろん、そういう雰囲気をつくるためには連勝をしないといけない。勝ち、負け、勝ちではなくて、勝ち、勝ちと続けていけるような勢いをつけていけたらと思っています。今年は連勝が少ないので。勢いをつけるのは勝ちしかないと思う。何点取られようと、なんとか1点差でも。1-0だろうと、1点差をモノにできるチームが強いので。たとえば何点取られても、うちが打ち勝てば勝ちは勝ち。今は借金も抱えていますし、勝つということが一番ですからね。

 プロ5年目。反発力は以前よりも格段に増している。4日の中日戦では守備で痛恨のタッチミスがあった後、意地の3ランを放った。

 梅野 正直、あのときは(ミスした直後に)代打を出されるんじゃないかというのが頭にあった。そのぐらいの気持ちで打席に立ちました。だから代打がないと分かったとき、「絶対ここは打とう」と。やっぱり以前より取り返そうという気持ちは強くなりましたね。試合は毎日ありますからね。出ている以上はミスもするだろうし、ミスをしたら取り返すしかない、という気持ち。そういうのが強くなりましたね、本当に。

 さらに心の強さ、余裕が増したからだろうか。捕手として、投手の心情に寄り添った発言が今まで以上に目立つようになっている。

 梅野 意識していないと言えばウソになりますね。発言や新聞記事を通じて、プラスになることもいろいろあると思うので。投手のコメントを見て、こういう風に言っているんだな、とかも思いますしね。勝ったとき、小野が「梅野さんが…」と言ってくれた時は自分もうれしかったですし、悪かったときはバッテリーで反省しないといけないですし。どっちにしろ、次が来る。(先発投手が負けた後は)同じ気持ちを引きずって1週間は調整しないといけない。いくら後輩でも「次、次」と簡単には言えない。だから、その辺は自覚を持って、声をかけるタイミングだとか、その辺を意識して発言しています。

 泥臭く勝利のために。梅野の役割は日々、増えている。