全パ先発の岸が持てる力をフルに出し、2回2安打無失点に抑えた。「選んでくれた選手のためにも全力でいこうと思いました」と振り返った。

 初回のロペスから回をまたいで3連続三振。ハイライトは筒香との対決。直球ばかり5球で空振り三振に仕留めた。「直球でいかないといけない雰囲気の中、直球で三振を取れたのは良かったです」と笑顔。工藤監督も勝利インタビューで「地をはうような球を投げる投手はそうそういないです」と熊本のファンに“お宝度”をアピールした。

 前半戦リーグトップの防御率1・85が示す安定感は、球宴でも変わらない。直球だけでなく、得意のカーブも精密に制球して、打ち取った。同じく震災被害に遭った宮城を故郷に持つ岸には意味のある登板だった。熊本の子どもたちから大きな声援を受け「かっこいいと思ってもらえたら」と照れていた。【柏原誠】