中日福田の目覚めの2発も空砲になった。2回、中堅左に6月10日以来となる先制2ラン。同点の9回には8号ソロを放って勝利を引き寄せた。が、その裏に鈴木博が逆転サヨナラを許し、和製大砲の活躍も水泡に帰した。中日の神宮での連敗は6に伸びた。

 東都の竜党の励ましを聞きながら球場を立ち去った背番号55。笑顔はなかった。「とにかく結果を出さないと僕は試合に出られないので。続けていかないといけない」。7月に入って調子を落とし、先発落ちも増えてきた。早出特打を繰り返し、ついにはフォーム改良に着手した。投手側に体を開いて構えるルーティンを数年ぶりに省き、左足の踏み込み方を変えた新フォームで結果を出した。「試行錯誤して、いろいろやりながらです。今日はたまたま結果が出た。とにかくイチからです」。敗れはしたが、福田の復調は好材料になる。

 昨年の同時期には同じ神宮で計31失点の3タテを食らった。初戦の9失点は昨年と同じ。2戦目の逆転サヨナラ負けも同じ…。何ともゲンの悪い2試合になった。今年も負けっ放しのようでは、他5球団の背中が遠くなっていく。【柏原誠】