やはり超人だった。右足腓骨(ひこつ)を骨折している阪神糸井嘉男外野手が先制適時打を放った。

 初回1死一、二塁で4番糸井が打席へ。カウント1-2と追い込まれたが、4球目にしぶとく食らいついた。真ん中低めの135キロスライダーをバットの先で拾って二塁手の後方にポトリと落とした。

 横浜に集った虎党を驚かせたのは、その後の走塁だった。2死一、三塁となると、一塁走者の糸井が猛然とスタートを切った。スピードを緩めることなく、二塁ベースに向かってスライディング。判定はアウトになったものの、超人が驚異の回復力と勝利への執念を見せた。