日本ハム浅間が鮮烈な一撃で応えた。3回2死二塁。狙いを定めていた初球のフォークを右翼席中段へ突き刺した。「打った瞬間、入ったと思いました」。2年ぶりに1番に抜てきされ、今季1号2ラン。「今年出遅れた部分はあるので、強い気持ちを持ってやってきた」。16年5月3日ソフトバンク戦以来のアーチに、思いを込めた。

 プロ1年目の15年には、ドラフト制後、高卒新人最長のデビュー戦から4試合連続安打(当時)で一躍、存在感を放った。レギュラー定着を目指したが、持病の腰痛が妨げになり続けた。昨年11月、腰部椎間板ヘルニア手術に踏み切った。「翌日に疲れが残らないんです」と生まれ変わった。

 心機一転のシーズンで、再び故障の波に襲われた。4月末に右太もも裏を痛めた。「どん底です」。無理やりにでも気持ちを上げるため、同い年の高浜にバリカンを手渡し、8ミリの丸刈りにしてもらったこともあった。「残りのシーズンに懸ける思いは、強いです。やるしかないなと思います」。鬱憤(うっぷん)を晴らすような一撃が決勝点となり、チームの連敗を2で止めた。栗山監督は「やっと体のことを気にしないでやれるようになってきた」と復活を喜んだ。【田中彩友美】