シーズン終盤を前に、2位ヤクルトに百戦錬磨の右腕が帰ってきた。館山が22日の広島戦(マツダスタジアム)で4月30日巨人戦以来、約4カ月ぶりに先発する。20日は神宮外苑での投手練習に参加。「何とかチームが勝てるようにしたい」と力を込めた。

 約3カ月間の2軍暮らしで心技体を整えてきた。昨年10月に右肩と右肘を手術。4月は3戦3敗。術後の不安を完全には打ち消せていなかった。「ルーティンができていなかったけど確立できた。全てクリアになった感じ」。通算85勝の37歳のベテランらしく、焦らずに自己を見つめ直した。

 今季4度目の登板は、チームの今後を占う一戦にもなる。先発は小川、ブキャナン、石川、原、カラシティーの5人で、先週は支配下に再登録された古野を抜てきも4回4失点KO。「第6の男」誕生がクライマックスシリーズ進出の鍵を握るだけに、館山は「6枚目が試合を作れれば年間頑張っている人たちの負担も減らせる。ローテをずっと守ってくれってわけじゃない。1試合に懸けてやるだけ」。石井弘投手コーチは「連戦ではベテランの力が必要。いい風を吹き込んでくれると思う」と期待した。

 広島戦は今季4勝11敗、マツダスタジアムでは昨季から6連敗中。今日先発の小川は「やられっぱなしだといけない」と誓った。ライアンで鬼門を突破し、館山の復活星でチームを加速させる。【浜本卓也】