雨か汗か、阪神秋山拓巳投手は額をぬぐいながらマウンドに立った。

試合前からナイター照明がつけられ、小雨が降り続けたコンディション。1回先頭の大和を遊ゴロに打ち取り、宮崎も中飛。無難に立ち上がったかに見えたが、2死からロペスに左翼スタンドに運ばれた。同点に追いついてもらった後の2回は先頭のソトに変化球を左中間スタンドへ。その後も安打と四球などでピンチを招き、大和に三塁線を破られた。

「初球からどんどん振ってきて、それをうまく利用出来なかった。どうしてもストライクゾーンに集まってしまった。同じ打者に繰り返してしまいました。(雨は)土も大丈夫だったし、僕のときはそこまで降ってなかったので」

初球から積極的に振ってくるDeNA打線。くらった2発はいずれも甘い球ではなかったが、かわしきれなかった。香田投手コーチも「もう少し用心するとか。弱点から入る、勝負球から入るとかね」と苦言を呈した。得点直後の失点にも「セオリーを大事にしてほしい」と続け、2カ月以上白星から遠ざかる右腕に「こういう投球をしていると、なかなか次というのは出てこないでしょうから」と厳しかった。

前を向くしかない。雨天によりノーゲームが宣告され、3回途中4失点も、記録は残らない。練習ではいい感覚を取り戻しつつあるが、なかなか結果として出ない状況。秋山は「これが続いているので、今を乗りこえないといけないと思う。記録には残らないので、また練習したいと思います」と自分に言い聞かせた。金本監督も「甘いところに行ったわけではないんだけどね。踏み込まれて打たれているというイメージは受けますけどね」と語った。柱として期待される存在。このまま終わるわけにはいかない。壁を乗りこえるだけだ。