レジェンド超えだ! 広島九里亜蓮投手(27)が本拠地連勝の球団新記録をかけて明日5日阪神戦に先発する。3日はマツダスタジアムでジョンソンら先発陣とともに調整した。ここまで7勝3敗も、マツダスタジアムに限れば16年5月26日巨人戦から11連勝中。歴代投手では82年北別府学、88~89年の津田恒実と並ぶ最長記録だ。虎を相手に記録更新と、マジック減らしを目指す。

球団初の200勝投手の北別府、炎のストッパー津田…。広島のレジェンドに肩を並べた九里は、照れくさそうな笑みを浮かべた。先発で6回2失点で勝ち星を挙げた16年5月26日巨人戦を含め登板39試合(先発15試合)、本拠地で負け知らず。11連勝中だ。「奇跡です、奇跡」。そう口にしながらも「野手の方のおかげです。どこの球場もそうですが、ファンのみなさんからの声援で力をいただいている」とうなずく。優勝へのカウントダウンが始まる中、あす5日、新記録をかけたマウンドにあがる。

自身初の2桁勝利にも弾みがつく。ここまで7勝3敗。次回登板で8勝目を手にすれば、残す登板機会は3回程度。2桁星も見えてくる。「あまり意識していない。目の前の試合で自分が持っているものを出すだけ。最少失点に抑えることだけしか考えていない」。昨季までは先発と中継ぎにフル回転も、今季は4月17日から先発ローテに定着。その座を譲るつもりはない。

シーズンの残りの登板は、クライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズでの先発をかけたテストにもなる。畝投手コーチは「九里は試合後半をいかに最少失点でしのぐか。失点しても、そこで食い止められるかどうか。粘りの投球が見たい」と課題を挙げる。前回8月29日巨人戦は5回まで2失点も6回に2失点するなど、6試合続けて3回以降に複数失点する登板が続いている。「まずは先頭打者を抑えることが大事。そこは気持ちを入れてやっていかないといけない」。本人も自覚する。

3連覇の先には、昨季苦杯をなめたCSも控える。先発5番手の九里が新たな勲章を手に、自信を深めることはチームにとって大きなプラス。大きな弾みとなるに違いない。【前原淳】