日本ハムの中軸2人が逆転勝利をたぐり寄せた。2点を追う6回、3番近藤健介捕手(25)の適時打に続き、4番中田翔内野手(29)が逆転の2点適時二塁打を放った。連敗を「2」で止め、今日18日からの首位西武との2連戦(メットライフドーム)に向け、弾みを付けた。

白星に見放されていた右腕を、どうしても救いたかった。6回、日本ハムナインの思いが、ひとつになった。0-2の1死一、二塁で、打席には先発した上沢と同期入団の3番近藤。2連敗中の悪い流れを断ちきるため「気合を入れてきました」と、前日16日の試合後、髪を刈り上げたリーグ屈指のヒットメーカーが、突破口を開いた。

中前適時打で1点を返すと、4番中田も左中間を深々と破る逆転の2点二塁打で続いた。「(一走の)近ちゃん(近藤)が一生懸命、走ってくれて、本当に感謝しています」と中田。土ぼこりをあげながら、豪快なヘッドスライディングで勝ち越しのホームを奪った近藤も「必死で走りました」と苦笑いだ。

北海道を襲った大地震の後、14日に再開された本拠地、札幌ドームでのリーグ戦だったが、前日までオリックスを相手に1勝2敗。主将の中田は「野球の力で北海道を元気にしようとやってきたのに、情けない試合が続いていた。今日は意地でも勝ってやろうと思っていた」と、チームの思いを代弁した。

この日未明にも余震があった。復興の道筋が見えない人も、まだ、たくさんいる。だからこそ、中田はヒーローインタビューで叫んだ。「これからは勝って、勝って、勝ち続けて、最後は皆さんと一緒に笑って終わりたい」。2位ソフトバンクとの差は1ゲーム差。優勝への可能性が残っている限り、諦めるわけにはいかない。【中島宙恵】