ついに、ついに大台に王手をかけた。プロ25年目のロッテ福浦和也内野手(42)が、本拠地での西武戦に「8番DH」で先発。7回無死からの第3打席で、西武菊池の142キロの直球を巧みに左前へ運び、通算2000安打まであと「1」とした。22日もZOZOマリンで西武戦が行われる。大歓声の前で決める。

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ついに大台まで「マジック1」に迫った。ロッテ福浦は先頭で立った7回の第3打席、1ボールから西武菊池の低めストレートを捉えた。19日の1998本目と同じ、三遊間を抜く美しい流し打ち。「反対方向に意識はあった。いよいよだね。最後(第4打席)打てなくて悔しかったけど…」。史上52人目、ロッテでは榎本喜八、有藤道世に次ぐ3人目の通算2000安打に王手をかけた。

菊池は今季初対戦。難敵だった。井口監督によれば、福浦が苦しんできた首痛は対左腕のスイングで悪化することが多かった。練習でも、左投手相手のフリー打撃は早めに切り上げることもあった。加えて150キロを超える速球派。2日前に打ったソフトバンク松本裕とはタイプが正反対の豪腕だ。「打ちたいけど、今日は菊池雄星だからね」。“難産”になることを予感していた。

1打席目は外角球に3球三振。1死一塁と走者を置いた5回の第2打席は一ゴロ併殺に倒れた。「やっぱりいいピッチャー。そんな簡単にはいかない」。それでもどうしても1本打ち、このカードで決めたい理由があった。

「西武戦で決めたいんだよなあ。稼頭央くんがいるから」。相手チームには、ともに球界最年長野手としてプレーする松井がいる。年齢も、入団年も同じ戦友。松井の楽天在籍時、仙台遠征では必ずと言っていいほど一緒に食事に出掛けた。42歳。会話は互いの体調を気遣うところから始まる。「すごいとしか言えない。2000本も打ってるし、すごく励みになる存在」。「福ちゃん」「稼頭央くん」と呼び合う同期の前で肩を並べたい。祝福の花束をもらえたら最高だ。

今日22日は午後2時開始のデーゲーム。チームは今季最長の7連敗を喫した。「あとは勝てるように。勝って決めたい。また明日、切り替えて頑張ります」。プロ初安打を記録した始まりの場所、本拠地ZOZOマリンで、節目を迎える準備はできている。【鎌田良美】