99年から5度のリーグ優勝に貢献した中日のレジェンドがそろってユニホームを脱ぐ。岩瀬仁紀投手(43)と荒木雅博内野手(41)が今シーズン限りで現役引退することが26日、明らかになった。岩瀬はプロ野球史上最多の406セーブ、同1000試合登板もあと1と控える。荒木も昨季通算2000安打を達成し、378盗塁は球団最多。黄金時代を支えた竜の看板選手が、現役に別れを告げる。

中日の黄金期を支えた2人がユニホームを脱ぐ。投手陣の大黒柱岩瀬と、野手をけん引してきた荒木だ。岩瀬は今季がプロ20年目でコーチ職兼任だった。最多セーブなど数々のタイトルを獲得。14年に左肘を故障し、17年に50試合に登板、3勝2セーブ26ホールドの記録を挙げ、カムバック賞も受賞した。同年8月6日の巨人戦でプロ野球新記録となる通算950試合登板を達成した。

「先を見てする野球はもう僕の中にない。来年ダメなら、という1年1年の覚悟でやっていく」と、今季はセットアッパーを期待され開幕1軍スタート。しかし、6月交流戦では失点が目立ち、敗戦処理も含めた中継ぎに降格も経験。中継ぎ陣ではただ1人、開幕から2軍落ちを経験せず、今季は45試合に登板、2勝2セーブ、9ホールド、防御率4・81。998試合目登板となった16日の巨人戦(東京ドーム)では、7回2死満塁の場面で4番手で登板したが、阿部にプロ入り初の満塁本塁打を被弾した。現在通算999試合に登板。明日28日からの本拠地阪神3連戦で、前人未到の1000試合登板に挑戦する。

荒木も岩瀬同様、今季からコーチ職を兼任。開幕1軍こそ逃したが、6月1日から1軍昇格、先発出場も含め48試合に出場、打率2割4分3厘の成績を残している。「強くなるための1つのピースになりたい」と昨年の契約更改時に話した荒木。7月9日のDeNA戦ではプロ入り初の代打本塁打もマークした。25日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)でも1番二塁で先発出場、適時二塁打を含むマルチ安打と活躍。井端弘和(現巨人コーチ)ととも、鉄壁に二遊間「アライバ」コンビの残り1人が現役に別れを告げる。

◆岩瀬仁紀(いわせ・ひとき)1974年(昭49)11月10日、愛知県生まれ。西尾東-愛知大-NTT東海を経て98年ドラフト2位で中日入団。1年目から中継ぎで65試合、10勝と優勝に貢献。最優秀中継ぎ投手賞3度。04年から抑えに転向し、最多セーブ5度。05年の46セーブはセ・リーグ最多記録。14年7月に史上初の通算400セーブを達成。99~13年まで15年連続で50試合以上登板。今季は投手コーチ兼任。181センチ、84キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸7500万円。

◆荒木雅博(あらき・まさひろ)1977年(昭52)9月13日、熊本県生まれ。熊本工から95年ドラフト1位で中日入団。01年途中から二塁手のレギュラーに定着。俊足巧打の内野手に成長し、通算378盗塁は球団最多。17年6月3日楽天戦でプロ野球48人目の通算2000安打を達成した。180センチ、77キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸7000万円。