日本ハムは、清宮幸太郎内野手(19)が2回に先制三塁打を放つもオリックスに逆転負けを喫した。1点リードの8回に2点を奪われて万事休す。6号ソロを放った24日ソフトバンク戦に続いて、清宮の快打は勝利につながらなかった。チームは3連敗も、クライマックスシリーズ(CS)進出は今日27日のオリックス戦に勝利し、ロッテが楽天に敗れれば確定。気持ちを切り替え、大阪で決める。

清宮の負けん気がさく裂したのは2回だ。1死一塁でオリックス榊原が投じた真ん中高めへの143キロ直球をとらえた。打球は中堅フェンス直撃の先制適時三塁打。「ちょっと詰まりましたけれど、先制できて良かったです」。試合中に球団を通じて出したコメントには、熱い思いが続いていた。「この前は抑えられていたので『2度目はないな』と思って、打席に入っていました」。

榊原とは17日に札幌ドームでも対戦し、2打数無安打に終わっていた。「2度目はないな」というコメントの行間を読み解くならば、きっと「2度目『の対戦でも打てなかった』はないな」だろう。前回対戦で打てなかった高めの直球を打ち返してみせた。「前の印象もある分、打席での立ち方も変わります」。最初の打席で、前回の反省を生かした結果を残した。

常に向上を目指す取り組みは打撃だけではない。この日の試合前は、川名外野守備走塁コーチとマンツーマンで走塁時のスライディング練習を行った。23日ソフトバンク戦の7回の攻撃で二塁へスライディングした際、スライドさせた右足と逆の左足は浮いてしまった。同コーチは「あいつが練習をしたいと言ってきた」と明かした。志願の個別練習で、ベースへ一直線に足を伸ばす意識を植え付けるために、何度も二塁に滑り込んだ。先制打の場面では三塁へ左足を浮かすことなく、きれいにスライディングしてみせた。

幸先よく、滑り出した試合だったが、勝利の女神は簡単に振り向いてくれない。チームは8回に逆転され、清宮の適時三塁打は幻の決勝打となった。その後3打席連続で凡退した清宮は「(6回2死一、二塁の)チャンスで三振してしまったので(榊原攻略は)やりきれなかったです」。ルーキーだけでなく、打線は3回無死三塁の好機を逸すると1点が遠く、最後にうっちゃられた。清宮は「もっと打てればいいと思います」と、前を向いた。シーズンは残り10試合。CS進出決定も間近だが、1年目の清宮にとっては、どの試合も成長の糧となる。【木下大輔】