日本ハム矢野謙次外野手(38)が今季限りで現役を引退することが27日、分かった。近日中に球団から発表される。02年ドラフト6巡目で巨人へ入団し、15年6月にトレードで日本ハムへ移籍。勝負強い打撃と気迫あふれるプレースタイルは両球団で愛された。「松坂世代」がまた1人、ユニホームを脱ぐ。

矢野は「ここまでやってきて、悔いは全くないです。巨人、日本ハムというチームで、いろんなことを学びました」と、心境を明かした。プロ16年目の今季は、ここまで代打で18度起用されたが3安打。7月末からは2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で調整を続けてきたが、ここが引き際と悟った。

巨人では10年から13年までは4年連続で代打打率が3割を超える勝負強さを発揮した。日本ハムでもDHや代打の切り札として活躍。新天地での初戦では3本の二塁打を放ち、チームもサヨナラ勝利。お立ち台で「ファイターズ サイコー!」と叫び、ファンの心を一瞬でつかんだ。

近年は右膝痛にも苦しめられてきたが、矢野は「やり切りました」と、言い切った。「松坂世代」屈指のクラッチヒッターが、ついにバットを置く。

◆矢野謙次(やの・けんじ)1980年(昭55)9月21日、東京都三鷹市生まれ。国学院久我山-国学院大を経て02年ドラフト6巡目で巨人入団。13年に球団記録の代打でシーズン19安打。15年途中にトレードで日本ハムに移籍。通算758試合、373安打、29本塁打、153打点、打率2割6分1厘(27日現在)。今季推定年俸3000万円。178センチ、85キロ。右投げ右打ち。