頼れる男が帰ってきた。阪神ランディ・メッセンジャー投手(37)が11日以来の先発マウンドで好投。立ち上がりこそ「慣れない感覚、しっくりきてない部分もあった」と言うようにばらつきもあったが、3回以降は制球と緩急を取り戻した。6回2失点に「正直に戻れてうれしいよ。自分の投球が出来た。アドレナリンが出てきて楽しむことも出来たよ」と振り返った。

3回に「ソトには失投。中に入ってしまった。ロペスはいいところに投げて、前に泳がしたと思ったんだけど」と連弾を浴びるも、4回から6回は打者9人で料理。金本監督も「心配していたけどね。病み上がりにしては十分投げてくれましたね」と一安心。香田コーチも「状態としては非常にいいところで、戻ってきてくれた」と評価した。

リフレッシュ期間をへて、取り戻した。11日中日戦で危険球退場。翌12日に出場選手登録を抹消された。長年フル回転してきた代償ともいえる肩肘の蓄積疲労だった。「マウンドに立って投げることが仕事なんだ」と日頃から力を込める。投げない期間は退屈だった。23日に1軍練習に復帰してブルペンに入った際には、香田投手コーチに「いけます」と訴えた。復帰戦で安心を運んだ。

リードしたまま降板も、中継ぎ陣が追いつかれて白星はつかず。またも日米通算100勝がスルリと逃げた。「チームが負けたので悔しいよ」。エースはチームが勝つことだけを考えている。【池本泰尚】