ソフトバンクが首位西武との3連戦初戦に敗れ、逆転優勝が極めて厳しい状況になった。2点を追う6回に甲斐が逆転の3点二塁打を放ったが、8回に嘉弥真が秋山に再逆転の3ランを浴びた。連勝は7でストップし、西武とのゲーム差は7に拡大。今日と明日で1敗1分け以下なら、屈辱の目の前胴上げを許す。昨年の日本一軍団の意地を見せどころ。工藤監督は残り11試合、可能性がある限り戦い抜くと誓った。

失投だった。嘉弥真がボール球にするはずだった3球目のスライダーは、吸い込まれるように真ん中へ。8回2死一、二塁。秋山にバックスクリーンへ逆転の23号3ランをたたき込まれた。嘉弥真は「まったく拓也(甲斐)の要求通りにいかなかった…」。外角ボールゾーンへ体を動かして構えていた甲斐の要求に応えられなかった。この試合無失点なら32試合連続無失点の球団新記録だったが、悔やみきれない失点となった。

工藤監督は「(嘉弥真は)全然責められない。使った僕が悪い。ここまで来たら勝つか負けるか。みんなで勝ちにいって負けたので、しっかり受け止めて次勝つんだと思って戦っていくしかない」と自分に言い聞かせるかのように前を向いた。

メットライフドームでは5連敗。今季10試合で2勝8敗と大きく負け越している。苦手なだけでなく不運も重なる。この日は1回に牧原が負傷した。1死一、三塁。柳田の投手前ゴロで三塁走者の牧原は三本間に挟まれ、タッチをしようと追ってきた捕手森をかわそうとした際に、右足首を痛め、試合中に埼玉・所沢市内の病院へ。レントゲン・CT検査を受けた結果、骨には異常がなく右前距腓靭帯(みぎぜんきょひじんたい)損傷と診断された。前回の15日からのメットライフドームでの3連敗中には、16日に柳田が練習中に左側頭部に打球を受け救急車で緊急搬送。17日は今宮が1回の遊撃守備で二塁ベースカバーに入った際に左太もも裏を負傷し試合中に病院へ。メットライフドームでは3試合連続で病院行きの選手が出る事態となった。

今宮はまだ復帰のメドは立っていない。上林もこの日6回の第4打席で右手前腕部に死球を受けた。試合後、「めちゃ腫れてます」と話した。好調の打撃に影響が出ないか心配される。今日28日、明日29日に連敗か1敗1分けで目の前で胴上げを見ることとなる。97年に当時の西武球場で見て以来の屈辱は避けたい。今日28日の第2戦の西武先発はソフトバンク戦通算18戦0勝13敗の菊池が相手。エース左腕を打ち砕き、前へ進むしかない。【石橋隆雄】