エース千賀滉大投手(25)が2被弾5失点でKOされ、ソフトバンクの連覇はほぼ絶望となった。同点の6回、2死一塁から中村に高めに浮いたフォークをバックスクリーン左へ運ばれた。決勝の28号2ラン。「取られるタイミングが…。よーいドン(での3失点)と一番我慢したいところで打たれた」。千賀は大歓声とフラッグで揺れる球場の真ん中で、唇をかんだ。

必勝を誓った西武3連戦で、力負けの連敗。8安打を浴びせたものの菊池に通算19試合目で初めて白星をプレゼント。工藤監督は3つの質問に「う~ん…」と約2分間沈黙。「僕の責任」と選手をかばったが、悔しさは隠しきれなかった。この敗戦で今季の西武戦は10勝13敗となり10年以来、8年ぶりの負け越しが決まった。

西武のマジックは1。負けるか引き分ければ97年の西武球場時代以来となる目の前での胴上げとなる。工藤監督は「もちろんここで終わりではない。何が何でも目の前で胴上げは絶対にさせない」と今日29日の必勝を誓った。

勝ち上がればCSファイナルステージの舞台となるメットライフドームで5連敗。千賀は通算11試合で勝ちがない。今季は3戦先発し3敗。17回で19失点。防御率5・96とエースにとって信じられない数字が並ぶ。千賀は「あれだけの打線なので意識はする。ここまで迷子が続くと、どうしたらいいのか。いろいろ考えて、また頑張ります」とCSでやり返すつもりだ。残り10試合、日本一へ向け、勢いを取り戻していくしかない。【石橋隆雄】