あぁ、空き日消滅…。阪神が今季の公式戦日程で非常事態に陥った。中日が29日、今日30日の阪神24回戦(ナゴヤドーム)を台風24号の接近にともなって中止にすると発表した。虎にとっては今年20度目の中止が決定。すでに雨で流れた26日DeNA戦の代替日も未定で、クライマックスシリーズ(CS)進出の順位が確定する11日当日までの残り2日間に2戦が組まれる見通しだ。新たに中止試合が発生すればダブルヘッダーのほか、公式戦終了を待たずCS進出を逃す恐れも出てきた。

阪神がまた、天からの仕打ちにあった。CS進出が厳しい情勢に追い込まれている阪神はいよいよ日程面でも窮地に追い込まれた。中日戦を優位に戦うナゴヤドーム。中日球団はまだ熱戦中の午後3時半に、今日30日の同カードを中止にすると発表した。台風24号の直撃が危ぶまれるなか、やむなく決断を下した。

阪神にとって、実に今季20度目の試合中止になった。阪神は10月9日巨人戦(甲子園)まで休みなく試合がある。規定で、CS進出はファーストステージ開幕2日前の上位3チーム。同11日終了時点での順位で決まる。9月26日DeNA戦もすでに雨で流れ、今日30日の中止分と合わせて2試合を新たに追加しないといけない。CS進出チーム決定日まで空き日は10月10、11日の2日間だ。この間に試合追加される見通しで「予備日」が完全消滅する見立てになる。

中日戦の快勝を見届けた谷本球団副社長兼球団本部長は「(30日の中止は)相談もいただいてましたし、こればかりは仕方ない」と渋い表情だった。金本監督も「どうなるんだろうね、これは…。どういう日程であれ、いまは目先の一戦を取りにいくだけ」と話すしかない。今後、日本野球機構が日程調整に入るが、26日が中止になった時点で阪神側にダブルヘッダーでの開催可否を打診している。

今後、中止試合が増えれば球界では98年10月10日の横浜-中日(横浜)以来、20年ぶりのダブルヘッダー開催が現実味を帯びる。阪神にとっても、93年10月10日広島戦(広島)以来、25年ぶりのレアケースだ。さらに、公式戦全試合を終える前にCS進出を逃す恐れも出てきた。谷本副社長は「それは前から覚悟していましたから」と言う。CS期間中の「裏カード」として、公式戦が行われる可能性も消えない。正念場の最終盤まで、雨に振り回され続ける。【酒井俊作】