ヤクルト山田哲人内野手が“緊急事態仕様”の2番起用に一発回答を示した。

左太もも裏を痛めて登録抹消された青木宣親外野手に代わり、13年9月7日中日戦以来の「2番」でスタメン起用されると、第1打席で期待に応えた。

1死一塁、DeNA京山の外角への変化球を強引に行かずに逆方向へ。打球はヤクルトファンが待つ右翼席に飛び込んだ。34号先制ソロが決勝打となり、チームも3位の可能性があるDeNA2連戦で2連勝。「カットボールかスライダーか。まぐれです。中堅方向を意識して、本塁打は狙っていなかった。いい角度がついてくれた」と顔をほころばせた。

2位を決めたことで、余計な力みが消えた。蓄積疲労はすでにピーク。スイングの形も崩れていたが、2位確保というチームの大目標のためにと歯を食いしばってきた。

2日に順位が確定。一夜明けると「気持ちは全然違いますね。ここからは自分の状態を上げるために、しっかり時間を使えると思う」と表情に柔らかさが戻っていた。

3回無死では四球で出塁した直後に二盗を決め、32盗塁目をマーク。「完璧。行くと決めていました」と声を弾ませた。3打席を終えて6回からベンチに退いたが、チームの勝利に充実した表情を浮かべながらクラブハウスに引き揚げた。

5年ぶりの2番起用について、小川監督は「青木が抜けてCSがどうなるか分からないから1つ繰り上げた」と説明した。13日からのCSファースト(神宮)に青木が間に合わない場合を想定して「2番山田哲」のオプションも試すなど、CSに向けて着実に準備を進め始めた。

残り4試合。3度目のトリプルスリーは決定的なだけに、山田哲は休養しながら状態を上げていく方針。来るべき大勝負に備え、燕の命運を握る背番号1は万全の準備を施していく。